
・キムチって、本当に血圧を下げるの?成分とか知りたい
・高血圧なんだけど、キムチの食べ方の注意点があれば教えてほしい。
…こんな疑問を持つ人向けの記事です。
本記事の内容
・血圧を下げるキムチの成分、栄養素
・キムチの食べ方、注意点
筆者は2020年1月時点で上の血圧が180~190台と高かったのですが、生活習慣を改善し、約半年間で薬を飲まずに、上の血圧を130台まで下げることに成功しました。
現在は、高い下の血圧の改善に取り組んでいます。
血圧を下げるキムチの成分、栄養素
有効成分(乾燥させた唐辛子)
・カプサンチン
・カリウム … 2800mg
・カロテン … 17000ug
・ビタミンE … 30.7mg
※上記は、乾燥させた唐辛子100g当たりの含有量
有効成分(発酵させたキムチ)
カプサイシン
キムチにはなくてはならない食材が、唐辛子です。
唐辛子を食べた時に感じる辛み成分が、カプサイシンです。
カプサイシンには、脂肪燃焼効果や、血流を促進させる効果があると言われており、これらの効果は血圧の改善とも関係してくると考えられます。
カプサンチン
赤い唐辛子の赤い色素部分は、カプサンチンと呼ばれる成分です。
カプサンチンは、赤ピーマンや赤いパプリカなどにも含まれ、特徴はカプサンチンが持つ抗酸化作用にあります。
血液の通り道である血管は、活性酸素によって老化し加齢と共に硬くなっていきますが、カプサンチンの抗酸化作用よって、活性酸素による老化を遅らせ、しなやかで弾力性のある血管の維持に役立つと考えられます。
カリウム
唐辛子は、カリウムを多く含む食品です。
カリウムは、高血圧の原因の1つと言われるナトリウムを、体外へ排出する働きがあると言われています。
ただし、当サイトでは2020年12月19日現在、高血圧の原因と言われるナトリウムによる影響について、以前ほど重視していません。
筆者自身、なかなか下がらない高い下の血圧の改善をする上で、高血圧の主要な原因はほぼ、動脈硬化にあると断定しています。
動脈硬化と高血圧の関係性については、注目成分の最後の項目・乳酸菌で説明します。
βカロテン
生の唐辛子よりも、乾燥させた唐辛子に、βカロテンは多く含まれます。
βカロテンは体内に摂取された後、ビタミンAが不足した時に、BカロテンがビタミンAとして使われる特徴を持っています。
ビタミンA・C・Eは、免疫細胞であるマクロファージを元気にするために役立つ、重要な成分です。
ビタミンE
唐辛子に含まれるビタミンEも、マクロファージを活性化させる成分です。
マクロファージは、私たちの体内におよそ11億匹以上は生息していると言われ、がん細胞、ウイルスなど、体にとって有害な物質をどんどん食べてくれます。
私たちが健康的に生きていく上で、マクロファージを始めとした免疫細胞は、なくてはならない大切なパートナーなのです。
免疫細胞自体も、それ自体が私たち同様に生きている細胞なので、私たちが活動する時にエネルギーを必要とするように、マクロファージが異物を食べる仕事を進めるためにも、ビタミンA・C・Eなどの栄養が必要です。
マクロファージが、高血圧とどのように関係してくるのかは、次の乳酸菌の項目でお伝えします。
乳酸菌
キムチは発酵食品です。
キムチの発酵は、乳酸菌が主体となって進みます。
そして、「血圧を下げる」ことにも、乳酸菌が深く関わってきます。
では、高血圧の主要原因とは何でしょうか?
動脈硬化
現在の常識では、医学知識も含めて、塩分のとり過ぎや運動不足が高血圧の原因と言われています。
しかし、下記の著書の中で、真島康雄医師は、高血圧をもたらすのは動脈硬化であり、動脈硬化の原因となるのは、血管内にできるプラーク、と言っています。
よく、悪玉コレステロール値が高すぎて、動脈硬化が…という話にもなりますが、真島医師によると悪玉コレステロールは、血管プラークが形成されるメカニズムにおいて、全く関係しないとの事です。
私たちは食事を通じて、油や食品に含まれる分から脂質を摂取しています。
この脂質のうち燃焼されなかった余分な油のごく微細な脂肪滴が、血流によって血管内皮細胞のすき間へと入り込み、流体力学の観点から血液の流れは強く早いので、血管内皮細胞の奥へと入り込んだ脂肪滴の後からも、どんどん脂肪滴が積み重なる形で、血管プラークを形成していくそうです。
血管内にプラークが堆積すると、その部分の血液の通り道が細くなって血流が悪くなり、血管壁にかかる血液の圧力が増して血圧が上がる事になります。
血管プラークを減らすマクロファージ
マクロファージやNK細胞(ナチュラルキラー細胞)、好中球といった免疫細胞は、私たちが生きていく上で欠かせないパートナーです。
マクロファージやNK細胞は、がん細胞やウイルスなど、体にとっての異物を貪食(どんしょく)…つまり、むさぼり食べることで、私たちがガンや病気に冒されるのを未然に防いでくれています。
血管エコー検査で3万人以上の患者さんの血管内部を観察・分析してきた真島医師によると、マクロファージは、血管プラークをむしゃむしゃと食べて、減らしてくれているそうです。
しかし、体に良い油・悪い油、酸化した油など種類に関係なく、私たちが必要以上に摂り過ぎてしまった油によって堆積した血管プラークは、マクロファージの仕事量を超えて食べきれず残ってしまい、一定ラインを超えて過剰な油の摂取を続けると、マクロファージがプラークを減らすよりも、血管プラークが増えていく状態が上回るので、動脈硬化を進行させて高血圧も進んでいきます。
乳酸菌は免疫細胞を活性させる
血圧を下げたいのであれば、まず何よりも、普段の食事において、油や食品に含まれる脂質を過剰摂取しないことが重要です。
さらに、血管プラークを食べてくれるマクロファージを元気にすることも、動脈硬化による高血圧を予防・改善する上で大切となります。
私たちの腸は、マクロファージを始めとした免疫細胞を活性化させる舞台装置であると言われています。
乳酸菌によって発酵したキムチを食べることで、腸内環境が良くなります。
乳酸菌などの善玉菌で環境が整った腸がマクロファージを活性化させて、血管プラークをむさぼり食べる貪食機能を高めます。
キムチの食べ方、注意点
塩分のとり過ぎは?
残念ながら、塩分のとり過ぎが高血圧を招く…という、私たちがこれまで信じていた常識は、真島医師によると全く関係ないとの事です。
確かに、東北地域など塩分摂取量が多い地域は、高血圧や心筋梗塞などになる人の割合も高いことがデータ上からも読み取れるのですが、実はそのような地域は、同時に食用油の消費量や豚肉の消費量なども多い地域である事を、真島医師は語っています。
私たちが高血圧や動脈硬化を予防・改善する上で重視すべきは、油・油の過剰摂取であると考えられます。
乾燥させた唐辛子の脂質量
実は、キムチを発酵させる上で触媒ともなる唐辛子粉には目を向ける必要があります。
唐辛子(乾燥)の脂質量 : 12グラム
※食品100グラム当たりに含まれる含有量
大部分の野菜の脂質は、100グラム当たり、0.1グラム程度と低いのですが、乾燥させた唐辛子の脂質は高いのです。
脂質量を考えて少量ずつ
筆者はこの10年ほど、唐辛子粉から発酵させたキムチ床までペロリと食べられる美味しすぎるキムチを手作りしてきたのですが、キムチを食べる時は脂質計算をしながら少量ずつにすべきと考えを改めています。
一日に少しずつ食べる理由は、繰り返しになりますが、ある一定ラインを超えて油を過剰摂取すると、血管プラークを貪食するマクロファージの能力を超えて、血管プラークの堆積が進んでいくからです。
乳酸菌がマクロファージを元気にする作用にも期待を寄せたいところですが、10年以上に渡り全身8箇所の血管エコー検査によって、大勢の患者さんの血管プラークの厚みの変化についての分析を続けている真島医師のエビデンスと考察は、やはり無視できません。
やはり、油のとり過ぎは高血圧には厳禁なのです。
手作りキムチに入れたい材料
キムチを手作りするなら、動脈硬化と高血圧の予防・改善を考えた場合、マクロファージを元気にする食材を入れるべきと考えます。
唐辛子自体にも、βカロテンやビタミンEなど、マクロファージを活性化させる成分が含まれていますが。
おすすめとしては、ビタミンCが多く含まれる野菜の
・モロヘイヤ
・かぶの葉
・菜花
上記の野菜などです。
ビタミンCも、マクロファージを元気にして貪食機能を高めるために重要な成分なので、ぜひ参考にしてみて下さい。